屋根をリフォームする方法としては複数の方法がありますが、その中の1つに、「屋根カバー工法」というものがあります。
屋根カバー工法には、他の工法にはないメリットとデメリットがあるため、実際にリフォーム方法を選択する際にはそうした特徴をよく理解しておくことが非常に重要です。
そこで今回は、屋根カバー工法の特徴を知るための基本的な情報をご紹介します。
屋根リフォームをお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
□屋根リフォームのカバー工法とは?
屋根カバー工法は、劣化した屋根材の上に新しい屋根を重ねるリフォーム方法で、近年のリフォーム市場で注目されています。
この方法の最大の特長は、古い屋根を撤去せずに済むことです。
これにより、大幅なコスト削減と工事期間の短縮が可能になります。
一般的には、軽量の金属屋根材、例えばガルバリウム鋼板やエスジーエル鋼板をコロニアル屋根の上に重ねて施工します。
この方法は、屋根の葺き替えに比べて迅速かつ経済的であり、住宅の外観を一新する効果も期待できます。
ただし、カバー工法は万能ではなく、一部の屋根では適用できません。
特に、瓦屋根の場合、その波打つ形状がカバー工法の障害となります。
また、劣化が激しいコロニアル屋根や古いトタン屋根は、屋根下地の損傷が原因でカバー工法が不適切な場合があります。
さらに、雨漏りが発生している屋根は、屋根下地がすでに傷んでいる可能性が高いため、カバー工法は避けるべきでしょう。
□カバー工法のメリット・デメリット
*メリット
1:断熱性・遮音性・防水性の向上
新しい屋根材には断熱材が取り付けられることが多く、また既存の屋根と新しい屋根材との間に空気の層ができるため、断熱性能が向上します。
これは特に夏場の屋根裏部屋の暑さ軽減に有効です。
また、新しい屋根材の下にルーフィングを設置することで防水性が高まり、雨漏りを効果的に防げます。
屋根の二重構造は雨音を和らげる効果もあり、静かな室内環境を実現します。
2:リフォーム費用の削減
撤去作業や廃材処分が不要なため、屋根のカバー工法は葺き替え工事と比較して低コストで行えます。
また、金属屋根材は耐久性に優れ、長期間にわたるメンテナンス費用も削減できます。
*デメリット
1:耐震性への影響
新しい屋根材の重量により、建物の耐震性に影響を与える可能性が懸念されます。
しかし、金属屋根材は非常に軽量で、建物の耐震性能に与える影響はごくわずかです。
実際に、新しい屋根材の重量は多くの場合、積雪を考慮した建築基準に適合しています。
重さが気になる方は、実物のサンプルを手に取ってみることをお勧めします。
2:瓦屋根への非適用
前述の通り、瓦屋根にはこの工法が適用できません。
これは、瓦屋根が重量があるためであり、屋根カバー工法では、軽量の金属屋根材を使用することが前提です。
もし瓦屋根をリフォームする場合は、葺き替え工事を行う必要があります。
3:内部補修が必要な屋根
既存の屋根が損傷している場合、単に新しい屋根材を重ねるだけでは問題を解決できません。
屋根下地の補修や張り替えが必要になることがあります。
屋根の状態を事前に詳しく調査し、適切な工法を選ぶことが重要です。
□まとめ
屋根カバー工法は、効率的なリフォーム方法として多くの方に選ばれています。
そのコスト削減、施工期間の短縮、断熱・遮音・防水性能の向上などのメリットがありますが、適用できる屋根のタイプや耐震性、既存の屋根の状態などの条件を考慮する必要があります。
今回の内容が、屋根リフォームを検討している方にとって少しでも参考になれば幸いです。